【薬学部 卒業試験】の危機から一発合格への道

薬学部 卒業試験

就職先はすでに決まっている。けれど国家試験には落ちてしまった。
その結果、会社から突きつけられたのは「一年以内に合格できなければ内定取り消し(解雇)」という厳しい条件でした。あの日、人事担当者からその通知を受け取ったとき、正直、頭が真っ白になりました。「終わったかもしれない」。現実を受け入れるまでに、しばらく時間がかかったのを覚えています。

思い返せば、前年度の卒業試験の時点ですでに状況は厳しかったのです。五科目中四科目が不合格。秋の再試験でも合格点ギリギリ。国試を受ける資格を得られるかどうか、最後まで綱渡りの状態でした。不安と焦りばかりが募り、何とかしなければと思って模試を申し込んではみたものの、結果は150点前後をうろつくだけ。過去問に取り組んでも点につながらず、計画の立て方さえ分からなくなっていました。

「このままでは、何をやっても無駄なんじゃないか」
そんな気持ちでいっぱいだった私に、救いの手を差し伸べてくれたのが、家庭教師の先生でした。

最初の面談で先生に言われたのは、とてもシンプルな一言でした。

一回の授業で、理解度を最低80%まで上げよう

どうやって?と最初は半信半疑でしたが、授業が始まってみると、その方法はとても明確で、効率的でした。私が解いた問題をその場でチェックし、間違えた理由を“言葉で説明できるまで”とことん演習する。たとえば選択肢を一つずつ検討し、「なぜこれは×なのか」「どこを読み落としたか」を自分で説明し直すことで、思考のクセや誤解に気づいていきました。

さらに、時間を測ってのタイムアタック演習も毎回実施。「制限時間内で解く」→「その場で採点」→「合格基準80%を超えるまで再演習」というサイクルが定着し、演習スピードも正確性も明らかに上がっていきました。解けた問題には必ず大きな丸が付き、「これはもう大丈夫」と先生が可視化してくれたことで、積み上げが見えるようになり、精神的な支えにもなっていきました。

80%を超えるたびに、小さな達成感が自信に変わっていくのが自分でもわかりました。これまでは「どうせ無理」と思って問題を見ていたのに、「次もいけるかもしれない」「あの解き方を使えばいける」と、頭が自然と前向きに働くようになっていたのです。模試の点数も少しずつ上がり、苦手だった物理化学や薬理の正答率も安定してきました。ガチガチだった思考が、解き方の「型」を知ることで徐々に柔らかくなり、「試験が怖い」という気持ちが薄れていきました。

迎えた秋の卒業試験では、あれほど苦しんでいた全科目をすべて一発でクリア。その勢いのまま国試対策に本格的に移行し、先生と決めたサイクルを一日も崩さずに実行し続けました。毎週の演習で8割を確保することが当たり前になった頃には、自然と本番を意識した力が身についていたのだと思います。

そして、国家試験本番。緊張はありましたが、焦りは不思議とありませんでした。「やるべきことはやった」「あの問題は見たことがある」という感覚が何度も訪れ、落ち着いて答案を埋めることができました。結果は、一発合格。あれほど不安だった未来が、一気に現実のものになった瞬間でした。

今、私は薬剤師として現場に立っています。患者さんと向き合いながら、「あのときの努力が今の自分につながっている」と実感する毎日です。道筋を示してくれた先生には、心から感謝しています。もし、あのサポートがなければ、私は何をすればいいか分からないまま、きっと途中で諦めていたでしょう。

「合格できた」のではなく、「合格する力を育ててもらえた」。それが私の実感です。
今、不安と焦りの中にいる誰かに、伝えたい。正しい努力の積み方さえわかれば、状況は必ず変えられる。諦めなければ、未来は開ける。今ではそう確信しています。

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